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​制御理論を基盤として,分子サイバネティクス,分子ロボティクス,システム生物学に関する研究を行っています。

現在,日本や海外の研究機関が,目に見えないほどの小さなロボット,大きさでいうとミクロンサイズのロボットの研究開発でしのぎを削っています。当研究室では,分子ロボットの知能中枢を担う分子コンピュータの研究に取り組んでいます。

2000年代に入り,人工的に設計された分子を用いて,自己組織的にシステムを作り上げる技術が登場しました。主に分子としてDNAを用いるため,DNAナノテクノロジーとも呼ばれます。DNAナノテクノロジーを使いこなすことで,ナノサイズの構造物を自在に設計したり,分子コンピュータを設計したり,それらを組み合わせて,細胞と同じくらいの大きさの「ロボット」を作って操ることができるようになりました。

 

では,この技術を使って「何を作ると世の中の役に立つでしょうか?」まだ誰も見ぬ夢のアプリケーションを創造すべく,世界中の研究者がしのぎを削っているわけです。医療・エネルギー・環境・新原理コンピュータなど多方面において研究開発が進めれらています。

当研究室では,2つの戦略軸で研究開発を行なっています。1つ目は,「医療応用のための分子ロボット」です。血管内を免疫細胞のように循環しながらパトロールする分子ロボットが開発できれば医療革命を引き起こすでしょう。2つ目は,「新原理コンピュータの実現」です。分子ロボットに神経細胞(ニューロン)の機能を持た,超並列の分子コンピュータを作れば技術革新を引き起こすでしょう。

 

「医療応用のための分子ロボット」において,分子センサーからのシグナルを情報処理し,状況に応じてロボットの動きを調節するフィードバック制御回路が必要となります。生体分子のみで作られるロボット全体は,数学的には巨大な非線形システムとなるため,試行錯誤の設計は全く通用しません。そこで,制御理論に基づいた設計法の構築を目指した研究を行なっています。

「新原理コンピュータ」では,分子ロボットをニューロン細胞に見立てて,分子コンピューティングにより知能情報処理を実行することが求められます。分かり易く言うと,AI(人工知能)を分子ロボット工学を使って作り上げる,そのための理論と技術を研究開発している,と言えます。

 

分子ロボット工学は制御工学,情報工学,生物物理学,化学を横断的に含んだ全く新しい研究領域であり,いわば,研究における新大陸です。一緒に,この新大陸で革新的なアプリケーションを創造しましょう!

 

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